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感想:親愛なるタナトス 第三巻 残夢(CV:茶介)

カナリアレコード茶介,親愛なるタナトス

約 4 分で読めます。

聴く前は「遥がいちばんまともかな」って思ってました。

いちばんまともじゃない。でもいちばん救われそうにない人でしたねー。

ずっと両親の愛に飢えて両親が亡くなった今でも両親からの愛に飢えている。

見た目も性格も変わった現在の【アナタ】のことは受け入れず自分にとって幸せの象徴で羨望の対象である過去の【アナタ】に固執しています。

私の頭の中のサイコパスって遥みたいな人のことです。全く救いがない。

トラックリスト

  1. リバイバル
  2. 追想
  3. 幸福の真似事
  4. 乖離した想い
  5. ジブリッシュ
  6. 道化師が嘘を吐く
  7. 夢違え
  8. フリートーク

登場キャラクターについて

  • 名前:池石遥(28歳)
  • 自分を「僕」【アナタ】を「君」と呼ぶ。
  • 【アナタ】のことを「自分が愛されるための道具」としか思っていない。ジョン・ゲイシーがモデル。

「親愛なるタナトス 第三巻 残夢」感想

本編

【アナタ】は父親の転勤による10年の海外生活を経て1人で就職のために帰国。

その際、頼ったのが幼馴染の池石遥です。

引っ込み思案だった【アナタ】は誰にでも優しくて頭がいい遥お兄ちゃんのことが大好き。

今は児童養護施設で働き、週末はボランティア活動などの慈善活動をしています。

声を聴いた印象だと…穏やかとは違って疲れてるというか最初から心が死んでる感ありました。

もっとニコニコして明るさで闇を隠しているタイプかと思っていました。

違うのね。

そういうつもりで聴いてるからそう聴こえただけかもしれないけど。

再会直後は過保護な幼馴染の優しいお兄ちゃんという印象ですね。

思い出の喫茶店で積もる話をしたり誕生日プレゼントをくれたり。

会話の最中、パトカーの音がして「10年前から【アナタ】と同世代の女の子の失踪事件」が起こるようになったことを話してくれます。

「君のことは…僕が、絶対に守るよ」

トラック2:「追想」

何も知らない【アナタ】には頼もしかったことでしょう。

「10年分のプレゼントをしたい」と彼はいくつもプレゼントをくれます。

でも清楚で引っ込み思案だった10年前の【アナタ】に似合うようなプレゼントばかり。

ワンピースに靴。バッグ。

10年の海外生活ではっきり自己主張できる女の子なっていた【アナタ】は「趣味じゃないから」とプレゼントをはっきり断ります。

遥が謝ってその場は収まるんですが連絡が途絶えます。

……これが決定的な出来事なんだろうな。

2週間後。遥から連絡があり自宅に誘われます。

遥が食事の準備をする間に用意されたアルバムを見る【アナタ】。

ページをめくる音が徐々に早くなります。

何か信じられないものを目にしたように。

「酷いでしょう。それ全部失敗作なんだ」

トラック6:「道化師が嘘を吐く」

……少女失踪事件の犯人は遥でした。

仕事も慈善活動も全てターゲットを見つけるため。

あの頃の【アナタ】に似た清楚で引っ込み思案な女の子をいなくなっても身寄りがなく判明しにくい子どもたちの中から見つけるためでした。

狡猾なクズですね。

【アナタ】が非難しても悪びれる様子もないので3作目にして本物のサイコパスが出てきましたね。

遥は不妊治療の末にようやく生まれた子どもだったのですが両親が望んでいたのは女の子。

「遥」という女の子のような名前も両親が女の子を熱望していたから。

男だからという理由で努力しても両親に愛されなかった遥。

自分を愛さない両親が溺愛したのが近くにいた【アナタ】。

【アナタ】から見れば優しい遥の両親は遥にとっては自分を虐待する両親。

何をしても自分を愛さない両親に愛されるために遥が辿り着いた結論が「【アナタ】と結ばれること」だった。

しかし両親は不慮の事故で死亡。ほぼ同時期に【アナタ】一家は海外へ。

遥は一度にすべてを失い凶行に走ります。

ここまでの3作品中いちばん悲惨な境遇なのは遥だと思います。

いちばん救いがない。

遥は表面上は愛されているように振る舞いながら愛されなかったし両親からの愛されることを諦めることもできなかったんですよね。

しかも急に両親が死んでしまって両親に愛されることは絶対に叶わなくなって…拠り所の【アナタ】もいなくなったわけです。

……悲惨な人生でかわいそうなんだけど遥は【アナタ】のことを見ていないんですよね。

私はそこがイマイチ遥を好きになれないところなんですよ!!

その生い立ちを聞いて【アナタ】に生まれるものは愛情じゃなくて同情なんだろうな……って思います。

私にも同情しか生まれてません。

遥が少女失踪事件に関わっていると知り、震える【アナタ】。

遥はターゲットにした女の子達にしたように【アナタ】を縛り上げて動けなくした後「好みじゃない」と【アナタ】の服を引き裂いて事に及びます。

前2作と比べて内容は充実してましたね。口でさせたり飲めって言ったり(結局は飲めずに顔にかかる)

途中で昔の【アナタ】の写真持ってきたと思ったらソロプレイ。

さらに動画で撮影中。実は最初から撮影していたそうです。希望するなら【アナタ】両親に送ってくれるそうだ。

喜ぶと思うってどういう発想なの?

……痛いところとかグロいところはないので安心しながら聴けるけど気持ち悪さはダントツでした。

あとジュルジュル感すごかったです。私の印象では遥がダントツで狂ってます。

目的を達成するためなら罪悪感なんて持たない。

「やっぱり、オリジナルがいちばんだ」

トラック7:「夢違え」

私が思っていたようなサイコパスでした。

あとがき

タナトス1の瀬尾くんタナトス2の万里さんも現在の【アナタ】を愛しているけど遥は違う。

遥には理想の【アナタ】像があって理想から外れた【アナタ】は好きじゃないんです。

自分の両親から愛されていた【アナタ】が羨ましくて妬ましくて【アナタ】を手に入れることで両親に愛されたかっただけ。

両親が亡くなって愛されるわけがない今もずっとそうなんですよね。

過去の【アナタ】に固執して現在の【アナタ】のことは見てくれないのであまり好きになれませんでした。

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