感想:死神(ハデス)の求愛(CV:つやまろ)
約 6 分で読めます。
優しさ溢れ過ぎ。
言葉は乱暴でも本当は優しいハデスのキャラ的には優しくていいのかなとも思ったんだけど……私はハデスの声として最後まで馴染まなかったです。
「本当は『~~じゃねえ』なんて言ったことないくせに無理しなくていいんだよ」
……って思っちゃう。
育ちがいいお坊ちゃんが同級生に「お前の話し方変」って言われて周りに合わせようと無理してる感ある。
話の展開も猫まで聴けば察しがつきました。ステラ特典のラストもめちゃくちゃ察した。
この記事はつやまろさん出演のシチュエーションCD「死神(ハデス)の求愛」の感想記事です。

トラックリスト
- 死神との交わり
- 雨音と子猫と
- 不器用な心
- 優しい口づけ
- 黒い痣
- さよなら
- 出会い
登場キャラクターについて
- 名前:ハデス(人間には「死神」と呼ばれる)
- 自分を「俺」【アナタ】を「お前」と呼ぶ。
- 人間と転生を繰り返している。
「死神(ハデス)の求愛」感想
本編
ハデスは冥府の王。死の世界を司る神ってことかね。
恋人にフラれて車に飛び込んだ【アナタ】の死の気配と生気に引き寄せられて現れたと私は解釈しました。
「なんで死神と肉体関係になるのか」
【アナタ】の魂が天使の加護を受けていて他の人間とは比較にならないほどの「生気」を持っているからです。
……なんのこっちゃ。
ハデスは【アナタ】の生気を吸い取って自分の力にしたいんです。
なぜなら人間の「生気」は冥府に入ると「死気(ハデスが持っている力)」に変化するから。
【アナタ】から生気を取り込んだ状態で冥府に帰ると今よりもっと力を持てるってことですね。
取り入れるための手段が接触。最も効率的なのが「肉体関係」なわけです。
接触が濃厚になればなるほど大量に取り入れることができる。
その上相手が感じるともっと効率よく吸い取れる。
さらに接触した際にはハデスの持つ「死気」が【アナタ】に流れ込み気持ちいい。
という肉体関係展開に持ち込むのに非常に都合がいい設定になっています。
ちなみに【アナタ】が持っている生気の量は冥府に入るとハデスが持っている死気の量に匹敵するほどの量になので冥府の王であるハデスの花嫁としてふさわしいそうです。(ここが求愛部分)
まあ花嫁にはならないんですけど(花嫁になるifストーリーは特典で聴けます)
その理屈を初対面のハデスに説明されてトラック1で急に肉体関係になったと思ったらトラック2では既に数回関係を持った後。
すっかり顔馴染みです。そしてトラック2冒頭に出てくる弱った猫によって結末が読めました。
でもハデスが【アナタ】に惹かれたキッカケの出来事がイマイチわからない。
どこか1点をキッカケにして変化していくわけじゃなくてトラック2で既に多少親しい雰囲気があるのでメリハリはなかったな。
【アナタ】の言動にハデスがドキッとするような「ここだよ!」ってシーンがあった方が聴いていてわかりやすいよね。ありきたりではあるけども。
私は猫の時点で
「最後は何らかの理由で死にかけた【アナタ】をハデスが自分を犠牲にして助けて消える間際に愛を打ち明けたりするんだろうなー…」
と思っていました。そのとおりになりました。
さすがに【アナタ】が元カレに刺されるのは想定外でしたがあまりに思った通りの展開過ぎたな……。
そうだろうとは思っていたけど実際にそうなると「予想が当たった」って嬉しさってないよね。
それから数年後。【アナタ】は仕事で「ヒラサカ」という男性と出会います。
初対面とは思えない懐かしさを感じる男性です。
……直感的に「ハデスだ!」ってなるわけじゃなかったみたい。
【アナタ】の記憶はどうなってんの?忘れてないなら覚えてるんじゃないの?
覚えているのに誰だかわからないって設定なの?
私にはわかりません。
ヒラサカさんは【アナタ】と同じくらいの年齢なのかな。
話によると数年前に事故で死にかけてるらしいんですけど目が覚めたときに「誰かを探さなきゃならない」っていう変な感覚があったそうです。
ヒラサカさんはそれまで普通に育ってきてるよね?
魂が途中で元々のものと別のものになるってアリなの?
……元々のヒラサカさんの魂はどこに行ったの?そいつが次のハデスなの?
それとも時間経過は神の力でどうにかしてヒラサカさんの魂は元からハデス?
ともかくわけわからん。めちゃくちゃ都合がいい設定だな。
最後まで「ヒラサカ=ハデス」を結びつける決定的なセリフなどは入らずさらっと終わってしまいました。
……もう少しヒラサカさんとハデスの関係性をハッキリさせてもいいのでは?
特典:初夜の契り
ハデスの花嫁として冥府へ行くifストーリー。少し声が優しいような気がする。
触れ合って生気と死気が入れ替わるときに快感を覚えるって本編で説明してましたよね。
だから「生気が出て行った替わりに死気が入ってくる」ことが快感なのかと思っていたら「生気が死気に変化する」のも快感だそうです。
ようするに【アナタ】は冥府に入ってきてずっと(一瞬で変化するのかと思ったら徐々に変化していくようなので)気持ちよくてたまらない状態らしいです。……そうだったの?
さすが初夜だけに甘い雰囲気はいちばん感じました。特殊なことはしませんし異様な雰囲気はないです。
ただの新婚さんの初夜でした。
声はヒラサカさんの方が好みだけど内容はこっちの特典の方がお互いに想い合ってると感じるし幸せそうだから好きです。
「俺はお前を離さない。この先もずっと。永遠に…」
特典:「初夜の契り」
特典2枚は最後のセリフを合わせたんですかね?
特典: 淫夢の続き
ヒラサカさんと恋人同士になった本編後日談。
本編は連絡先交換したところで終わっちゃいますからね~。
私はヒラサカさんの方が私のつやまろさんに対するイメージにもしっくり来てて好きなんです。
でもキャラとしては惹かれませんでした。
【アナタ】がハデスとの行為で「出される感覚が好き♡」ってやべえ女になってるんですけどヒラサカさんは「着けなくていいよね?」とそのままするような男です。
それまで何度も【アナタ】が着けないでしてって言ってるんだろうけどさ。
全く良くない。誠実な顔(声)してそれか!
行為は過激か過激じゃないかで言ったらたぶん過激寄りだと思うんだけど…いやらしさはあんまりないですね。
つやまろさんの声のせいかな。
そんなことより【アナタ】のヒラサカさんに対する態度も好感が持てない!
結局、【アナタ】はヒラサカさんと関係持ちながらハデスのこと考えてるんですよね。
忘れられないのは仕方ないとしてヒラサカさんから指摘されても否定しないことにモヤモヤする。
モヤモヤするのは……
「そもそもハデスとの行為が気持ち良かったのって死気をキメちゃったからでしょ?」
「別にハデスが純粋にものすごく好きなわけじゃないよね?」
「特殊な行為にハマっただけじゃん!」
と私が思っているからですね。
行為の後、トラック最後のセリフでヒラサカさんが【アナタ】に対する激しい想いを口にするんですが
「愛してるよ。僕は…「俺は、絶対にお前を離さない」
特典:「淫夢の続き」
セリフの後半がハデスの声になるんですよ。なるほど~……。
でしょうね。
そりゃそうなるわ。思い通りの展開過ぎて恥ずかしかったです。
あとがき
本編の終わり方に納得がいかない。
ヒラサカさんはハデスの魂を持っているんだろうなって本編でもわかりましたよ。
でも決定的な言葉はなかったんです。
ステラ特典CD最後のセリフが決定的な言葉と言えますが……私は納得がいかん。
ステラ特典最後の「ハデスの声になる」演出を本編に持ってくるわけにはいかなかったんでしょうか。
「最終回はネットで!!」みたいな違和感ある。
私は特典はあくまでオマケだと思ってるし本編完結のつもりで買ってるんです。
だから本編でノーマルエンドで終えてトゥルーエンドを特典に持って来られるのは納得いかない。
ヒラサカさんとのイチャイチャシーンがオマケ扱いなのはわかるけど……。
私は本編でちゃんとヒラサカさんとハデスを結び付けて終わって欲しかったです。
あそこから「実は別人」って十分あり得るよ。